マセラティ カンビオコルサを試乗でチョイ乗り。この個体、ECUチューンされていた。

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最近シリーズ化していますが、この前はエクステリアの印象とインテリアから感じた印象。今回は走りについてのインプレッションをチェック。撮影を兼ねて、ちょこっとインプレ。

このカンビオコルサはF1マチック。クラッチ操作をマシンがやってくれます。ドライバーはパドルを弾くだけ。指先にしっとりとした高級感を感じたのは、裏側にアルカンターラが貼られているからとのこと。

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ドライバーズシートに収まったら、エンジンをかけて右のパドルを引く。するとスピードメーターとタコメーターの間にあるインジケーターに「1」と表示される。すでにクルマは走行モード。あとはブレーキから足を離して、アクセルオンのみ!

低音を巻き込みながらカーンっと甲高い音を背後に、体がシートに押し付けられる。いや、シートが身体を背後から力強く迫ってくる感じか。
シートの出来が良く、ソフトにしっかりと身体をホールドするので、身体が一切沈み込むことなく背後から迫る感覚。

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エンジンの力強さを実感できるのは、この加速だと思う。そして、このF1マチックがなせる技だとも思う。
あまり乱暴に乗るのではなく、アクセル開度75%くらいで引っ張るのが心地良い。どこかへ飛んでいく様な、旅客機の滑走の瞬間によく似ている。アクセルを弱めない限りシフトを維持してくれるのも良い。

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エンジンはフェラーリが作ったV8 4.2Lエンジン。サウンドが心地良い。紳士的でありながらも、野太い野性的な強さを感じる響き。

Ferrari F430(TipoF136E型)と共通するエンジンでありながら、490馬力と400馬力で大きくデチューンされている。ただし最大トルクはそれほど変わりません。ここがポイントだと思う。加速力に潜む実力は変わらないのだ。

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もちろんサイズも重量も異なるのだから一概には言えないけれど、普段使いできるフェラーリと言えるデチューンなのだと思う。

それでこの個体は実は「ECUチューン」を施していると言う。前回と少し雰囲気が異なると思ったはずだ。このオーナー、入手してからとことん手を入れている。
元のマシンの程度もよかったので、メンテナンスというより、チューン寄りの手のかけ方。

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今回の「ECUチューン」は、F1マチックの変速にかかる時間を速く滑らかにし、半クラッチの時間を短くする。そうすることでクラッチの寿命も長くなるという優れもの。

取り付けに関してオーナーに聞いてみる。

このカンビオコルサECUは値段も張るけど効果は大きい。ベース車としてマセラティは気持ちの良いクルマなんだけれども、F430感というか「ああ、フェラーリ傘下なんだな」と思わせるレスポンスを手に入れたと思う。
マセラティのオーナーなら、このチューンは絶対。
渋滞時の変な変速も解消。バックギアへの入りも早い。価格に納得できる体感だよ。

という。実際にステアリングを握りアクセルを踏み込むと実感するのは自然な繋がり方。前評判にある「違和感」を全く感じなかったのは、このECUの効果だと思う。これであれば、女性でもスマートに美しく乗れると思う。

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このマシン、イタリア車にあるウイークポイントを全て潰してある上に、ボディの磨きからインテリアの手入れまで完璧。個体差のあるイタリア車は、こうしたマシンを探し出して乗り継ぐに限る。

個人売買で販売するのであれば、安心度の高いマシンだ。もちろんコーンズ+マセラティのロゴが光るフロアマットが、心地よく鎮座しているのもポイントのひとつ。

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